【消費税】飲食料品の税率を2年間1%とする改正案―企業が確認したい実務対応

NEWS

お知らせ

Apex Brain税理士法人からのお知らせや、税務・会計に関する情報をお届けします。

【消費税】飲食料品の税率を2年間1%とする改正案―企業が確認したい実務対応

国税庁・財務省は2026年9月15日、飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げについて、特設サイトと解説資料を公開しました。食品の製造・卸売・小売や飲食店だけでなく、飲食料品を購入する企業の経理にも関係する内容です。

本記事は、2026年9月21日時点で公表されている改正案を紹介するものです。法案の国会審議を経て可決・成立した場合の内容であり、制度の実施が確定したことをお知らせするものではありません。

何が変わる案なのか

対象となる飲食料品の消費税率を、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、現在の8%から1%(国・地方合計)へ引き下げる案です。

対象範囲は、現在の軽減税率の対象となる飲食料品と同様です。酒類や外食は対象外で、飲食店のテイクアウトと店内飲食では引き続き税率の区分が必要になります。一定の新聞の定期購読は8%、その他の標準税率対象取引は10%とされます。

「実質ゼロ化」という表現と、取引に適用する税率は区別が必要です。今回の税率引下げ案は1%であり、食品の販売を一律に0%や非課税として処理する内容ではありません。

レジ・請求書・会計処理で確認したいこと

事業者の皆さまには、まず次の確認をおすすめします。

  • 商品・取引の区分:食品、酒類、店内飲食、持ち帰りなどを整理し、販売と仕入れの両方で税率を正しく扱えるか確認する。
  • システム対応:レジ、販売管理、EC、請求書、会計ソフトについて、1%の税区分への対応予定と更新方法を提供会社に確認する。
  • インボイス:改正案では対象取引に1%の適用税率と税額を記載します。税率ごとの集計や帳簿・請求書の保存が必要となるため、帳票と経理手順を点検する。
  • 切替日前後の取引:予約販売、定期配送、前受金、返品などを洗い出す。一定の定期供給契約や通信販売には旧税率が適用される経過的な取扱いも示されており、入金日だけで判断しない。
  • 価格表示と社内周知:税込価格、値札、メニュー、見積書の更新範囲を整理し、販売担当と経理担当で対応日程を共有する。

食品を販売しない企業でも、会議用の飲食料品や贈答品などの購入を通じて影響を受けます。購入内容と取引日を確認できる証憑を残し、経費精算や仕訳の設定を確認しておきましょう。

納税額・資金繰りへの影響も検討を

食品販売の売上税額が減っても、設備や経費などには標準税率の仕入れが残ります。一般課税では、仕入税額控除の結果として還付が生じる可能性がありますが、実際の結果は取引内容や申告方式によって異なります。

公表資料には、課税事業者の選択や簡易課税から一般課税へ移るための届出、簡易課税の計算、中間申告、総額表示に関する特例案も掲載されています。税率だけを変更すれば対応が完了するとは限りません。

課税方式の変更を検討する際は、売上・仕入れ・設備投資の見込みを用いて試算し、届出期限や変更後の適用関係まで確認することが大切です。還付の可能性だけで判断せず、制度成立後の最終的な要件を踏まえて検討しましょう。

参考資料

以下は国税庁が公表した一次資料です。制度の成立状況や今後の更新は特設サイトでご確認ください。

消費税の申告方式や日々の経理対応に関するご依頼・ご相談は、ABTAX(Apex Brain税理士法人)へお問い合わせください。
ABTAXへのご依頼・初回相談はこちら →

← お知らせ一覧へ戻る